イタリア地中海コース4年の屋敷奈津美です。AIKOMの制度で2014年秋から2015年夏までイタリア・ローマの大学ラ・サピエンツァに留学していました。
 留学を決めたのは以前から漠然と抱いていた海外で学んでみたいというシンプルな思いからです。大学での授業は、イタリア人の学生に交じって受ける通常授業(ほとんどが講義形式)と、留学生向けのイタリア語の授業(週2)があります。最初は通常授業で一度聞いただけで内容を理解することができず、授業後にぐちゃぐちゃのノートを見て落ち込んでいましたが、時間の経過とともに授業内容を聴き取り理解する力が付くのを、授業後のノートがまとまっているのを眺めつつ感じました。自分の成長を感じるのは普段の生活ではなかなかないので、この留学での成長経験は自分にとって貴重なものとなりました。








 留学中最も印象に残っているのは、留学中にローマで通っていた空手道場での経験です。サピエンツァには残念ながらサークル活動はありません。そのため、運動や文化活動をしたい人は自分で外部の団体を見つけてそこに所属する必要があります。わたしは日本でも経験のあった空手がローマでも盛んであることを知り、近所の道場に通いました。週3の稽古の中でかけがえのない仲間たちができ、先生ともいろいろなお話をすることができ(先生の娘さんは組手の元ヨーロッパチャンピオンでした・・・!)、本当にいい経験になりました。イタリア語で進められる空手の稽古というのも新鮮でした。
 大学には留学生のためのイベントを企画している団体があり、企画された旅行世界遺産にあふれる街ローマで一年間暮らすことで、様々な文化遺産を目で見て感じることができたのもいい思い出です(ちょっとお散歩しているだけで遺跡に出会えます)。
 たくさん悩み、トラブルもあった留学でしたが、それらを乗り越えて精神的にも成長できた気がします。現地で学んだこと、仲良くなった友人、得たものすべてを、これからも大事にしていきたいと思います。
2014年イタリア地中海コース進学 屋敷奈津美




2014年8月中旬から2015年7月末まで(大学の正規授業は、実質2014年9月から2015年4月末まで)、東京大学教養学部の交換留学制度AIKOMを利用して、フランス東部アルザス地方のストラスブール大学に留学しました。AIKOMの存在は、入学してすぐに知りましたが、AIKOMを利用すると、留学の夢が叶いやすい。これは、教養学部に進学する魅力の一つかもしれません。私は、入学する前から、教養学部の地域文化研究分科に「イタリア地中海コース」が新設されることを知っており、合格したら是非ここに進学したいと思っていました。無事、ここに所属が決まり、AIKOMの交換留学生にも選ばれ、強く願えば叶ってしまう、という幸せな学生生活を送っています。イタリア語よりフランス語の方が得意なのでストラスブールに留学し、ラテン語を中心に学んできました。




同期の屋敷さんが同時期にAIKOMでローマに留学していたので、休暇を利用して、お互いの留学先を訪れたことも良い思い出になりました。「イタリア地中海コース」らしい体験を一つだけご紹介しましょう。大学の授業が全て終わってから、スペイン、南イタリア、シチリア島を巡る一か月一人旅をしました。シチリア島のシラクーザ(シラクサ)では、野外劇場で、エウリピデス作のギリシャ悲劇を観たのですが、イタリア語での上演だったので、少しは理解出来ました。「イタリア地中海コース」で西洋古典を学んできて良かった、と思えた瞬間でした。皆さんも是非、私たちの「イタリア地中海コース」に進学してください。そして、AIKOMで留学の夢を叶えましょう!

2012年入学、2014年進学、4年、安政真弓
*今後AIKOMの名称は変わりますが同様の制度は続きます。


こんにちは(あるいはこんばんは)。イタリア地中海コース4年の林です。
 東大もそろそろ夏休みですが、1、2年生はこれからテスト期間に入り、いろいろスパートをかけなくてはならない時期ですね。
 イタリア地中海でも、今年は(今年も)前期課程の学生を主な対象とした主題歌目「もっと悦ばしきイタリア地中海」を開講し、学内にとどまらず、学外、さらに海外から様々な分野の先生方をお招きし、講演をしていただきました。
 3年連続3度目となったこの「悦ばしき」シリーズですが、毎年「今年で終わる」と言いながらもなんとか授業を続けることができたと聞き及ぶところで、受講・聴講者の皆様につきましては、イタリア・地中海という地域に関する様々な知識を得るよい機会になったと思います。私自身、ICレコーダーやビデオカメラを回しながら、いろいろなお話を伺うことができました。
 今思い返してみますと、「悦ばしき」で講演を行った先生のラインナップは、3年間を通して本当に隙のない充実したものでした。普段は多忙につきお話を伺うことが難しい先生もいますので、本当に貴重な機会であったのです。
 ですから、この貴重さをご理解いただけた現在進振り中の2年生の皆様が、イタリア地中海に進学するということ、そのことが我々にとってはまさに「悦ばしき」ことであります…
 …私は以上のようなレトリックを以て学生を引き込むお手伝いをしたく思います。
 学生側としても、イタリア地中海に後輩が入ってくるのは非常にうれしいのです。とはいえあまり強引になってもいけませんから、先生方も「悦ばしき」など様々な機会によって、前期生の内側から自然にこのコースへの興味がわいてくることを目指してい(るのではないかと思い)ます。
 勿論、イタリアにはイタリアの難しさもあり、それゆえこの道を選ぶ際には"Lasciate ogni speranza, voi ch'entrate"であるという側面もありましょう。でもその難しさがむしろ楽しいのではないでしょうか。
 つまるところ、「進振りは今までに得た情報を精査して計画的に」ということであります。深謀遠慮の末このコースに来ようと思う方、ぜひお待ちしております。

イタリア地中海HPにようこそ!

この「学生の声」は、学生側からいろいろな情報を発信するという名目の上に成立しましたこのコーナーですので、学生が主体となってこのページを運営する予定です。そして、一時的ながら管理を任されました、イタリア地中海コース4年の林優来と申します。以後、大体2週間に1度程度所属学生から情報を収集して発信できればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 さて、このイタリア地中海コースは東京大学の中に生まれてまだあまり年月は経っておらず、周囲に認知して頂くことが重要な課題の一つとなっております。とはいえど、このページをご覧になっている皆様にはすでにこのコースの存在は知られている。ですから、我々学生の仕事は、主にこれをご覧になっている高校生や在学生の方々に、コースの魅力を提示することがメインとなっております。いろいろと発したい声はあるのですが、まずはこのコースが世界のどの地域に主に目を向けているのかを伝えすることにいたします。

 コース紹介のほうにも書いてはあるのですが、イタリア地中海は世界地図で見られるような「地中海」の周りに存在する地域(あるいは海そのもの)に関する様々な観点について研究をしたいと考える人々が所属しています。イタリアと名を冠しているのだから、イタリアのことしか研究していない、あるいはできないということはありません。地中海東岸で起こったキリスト教、または東ローマ帝国時代のアナトリア半島、さらには19世紀末から20世紀初頭のアデン湾さえも、この地中海という地域と関わりがあるものであれば研究を進めることができるでしょう。

 簡単に言ってしまえば、「地中海っぽくて、そのテーマの何が大切かを伝えられれば何でもアリ」ということです。

 もちろん、このコースに来た人々(まだ学部生は5人ですが)は皆が入る前からすでに研究テーマを決めていた、ということはありません。自分の研究テーマが決まるのは大方3年の冬になってからだと思います。私もそうでした。ですから、先に言ったことはのちの目標として、もし「何かこの地域面白そう」と思ったら、是非イタリア関係の授業に出てみて、先生方とお話しするのがよいかと思います。
 今後、授業に限らず、留学の話、コース関係のイベントの話など、何か学生が書きたいことがあると更新されると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
イタリア地中海修士2年 林優来